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2014/06/23

メリタのペーパー「グルメ」がかなり凄い件

久し振りに長い文章を書きました。しかもワタシにしてはこれでも画像をふんだんに使用して如何にもブログっぽい感じになりました。でも昨今のブログのように、やたら行間を空けたり絵文字は使いません←つまらないこだわりw
今回は満を持して登場したメリタのペーパー「グルメ」の紹介です。「グルメって何?」という方はまずメリタ公式サイトでご確認ください。


様々なコーヒーをこの「グルメ」で抽出していて気がついたのは、通常のペーパーよりコーヒーの成分が多く出ているのではないかということ。どのコーヒーもキャラクターがしっかりカップに現れています。
たまたま手元にあった原料用の品質最悪なコーヒーで淹れてみて、その思いは確信に変わりました。本当にマズいのです。マズいものがよりマズく抽出されるということは、成分抽出の効率が良いという裏付けになりましょう。
取り扱っている立場からするとなかなか怖い商品でもあります。なにしろ自分の店のコーヒーの品質や焙煎が白日のもとに晒されるワケですから。「グルメ」を取扱うならそれなりの覚悟を持った方が良いでしょう←脅しかw

ジャパンハンドドリップチャンピオンシップに
出場経験があるメリタ・本田氏
そしてつい先日のこと。メリタの営業さんが「グルメ」を使って飲み比べをしようと言い出し、何故かこの狭いウチの店内で実施することに。
飲み比べというから単にグルメで淹れたいろんなコーヒーを飲むだけかと思ったら、そこはさすがメリタ。自社の各種ドリッパーを持ち込んで抽出の差を比べるとかマニアック。まずはアロマフィルターと呼ばれているAFでサイズ違いの飲み比べ。

と、その前にグルメを使ったメリタ式の淹れ方を。メリタの基準はコーヒー1杯140ccに対して8gの粉を使います。グルメは4杯用なのでコーヒーの粉は32g、お湯は560cc使用します。コーヒーはたぐちハウスブレンドに使用しているコロンビアで行いました。

スケールに乗せて抽出すると注いだお湯の量が
わかりやすい。10ccほどオーバーしましたがw
1.中挽きから中細挽きのコーヒー32gをグルメに入れる。

2.沸かしたお湯をコーヒーの粉に浮かべるように30ccほど注いで20秒蒸らす。

3.蒸らしが終わったら真ん中から小さい円を描くように560ccまで注ぐ。
この時、お湯を細くせず、ドリッパーの中でお湯と粉が対流するように注ぐ。時間にして30~40秒ぐらいで560ccになるように注ぐのがポイント。

4.ドリッパーから完全にお湯が落ちきったらできあがり。

どうです、実に簡単でしょ?これだけでウソみたいに美味しいコーヒーが淹れられます。といったところでドリッパー別の飲み比べの結果に移りましょう。

AF-M 1x2+グルメ
若干、成分が足りない感じ。コーヒーの濃度は薄くないが、アロマとフレーバーが遠く酸が目立ち気味。

AF-M 1x4+グルメ
メリタ推奨の組合せ。カップは実に華やかでアフターテイストが良い。コンテストなどで点数が取れそうな明るい味。

ちなみにグルメは1x4しかサイズがないので、1x2のドリッパーにセットするとペーパーがドリッパーから飛び出します。そう、今流行りのブルーボトルのドリップスタイルです。ブルーボトルでは飛び出た部分までお湯は注ぐのでしょうか。

左がAF-M 1x4。ペーパーが飛び出ているのがAF-M 1x2

次はメリタの一般的なドリッパーにあたるSF-Mでも試してみました。SF-Mはリブ(溝)が浅い上に、ドリッパー上部までリブが届いてないので濃いコーヒーになることでしょう。

SF-M 1x2+グルメ
まず1x2だと確実にお湯が溢れます。それを防ぐため若干、お湯をゆっくり注いだためか、濃度と成分のバランスが店主好みのコーヒーが抽出されました。つまり一般的には濃いコーヒーでしょう。

SF-M 1x4+グルメ
こちらも1x2同様、濃度と成分のバランスは素晴らしいコーヒーが抽出されました。ただAF-M 1x4と比べるとアロマが弱めで、ほんの少々渋味が出始めています。

さて、総評。言うなればAF-M+グルメはカフェのコーヒー、SF-M+グルメは喫茶店のコーヒーと言った感じでしょうか。組合せ的にはやはりAF-M 1x4が最適ということになる、と結論付けておきます。

ということで、この「グルメ」は誰でも簡単で美味しいコーヒーが安定して淹れられる現時点で最高の抽出器具だと思われます。当店でも取扱いを開始して、1x4ながらなかなかの人気となっております。そうなんです。1x4って、実はサッパリ売れないんです。
それはさておき、当店の標準抽出器具をこの「グルメ」にします。今後はコーヒー豆の「酸味」とか「苦味」のチャートを出す時にこれを使います。そうすることで仮に「グルメ」を使っていただければ、お客さんサイドでもチャート通りの味が出ることになります。ご興味をもっていただければ幸いです。